私たち人間の内にある「小宇宙」は、夜空に広がる「大宇宙」と同一であります。
そして宇宙とは、目に見える世界だけを示すものではなく、空間的には無限、時間的には永遠の限りない世界であります。それが私たちの生命の本質なのです。
古くでは仏教で明かされていた世界観が、近代の量子力学の概念と一致する方向に歩み寄ってきた為、今ではこの「生命の真理」を信じる人も増えてきたように思われます。
心理学で集合的無意識というように、全ての人間は、その本質においては一体なのです。これをスピリチュアルの世界ではワンネスと呼ばれています。
このように人間の生命は大宇宙と同一であるという「全体」感も大切ですが、「個」の人間として生まれてきた使命や目的もあるはずなのです。私たちは宇宙生命から、何かの役割を与えられて、この現実世界にひとりの人間として生まれてきているのです。
また人間の生命は輪廻転生を繰り返しています。時間を超えた永遠の「個」としての私の存在もあるのです。心理学の世界などでは「我」と呼ばれる存在。私の生命は、他者とは違う、個々の生命の傾向性があります。そしてこの生命の傾向性は、目に見える現実世界で自分や他者が認識している「個性」だけではない、より本質的な自分の生命の「個性」なのです。
この生命の真理は、科学で全て解明することは、少なくても私たちが生きている間は不可能でしょう。量子力学などの最先端科学をもってしても、ほとんどの事が仮説に過ぎないのです。
しかし真理を探求することは、決して無駄ではありません。真理に近づけば近づくほど、人生は有意義になり、私たちの心はより満足することでしょう。
逆に、真理から外れた間違えた思想は、間違えた生き方を選択する原因とも成りかねません。だからこそ真理の探求は、その答えが出なくても続けていく必要はあるのです。
私たち「生命の個性研究会」が行うことは、あくまで名前のとおり、どこまでも研究することしかできないのかもしれません。知識の「考察」に過ぎないかもしれません。それでも数多くの先人達が行なってきたように、真理の追求に無意味なことはないとの信念の上、目に見えない世界のことを「言葉」にしていく努力を続けていこうと思います。
